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ターボエンジンは存在しない!? [車]

自動車メーカーのCMで

「ターボエンジンで加速ばっちり!」

「ターボエンジン搭載!!」

などと言う文言を聞いたことがありますが,そもそも,ターボエンジンと言うエンジンはこの世に存在しません。
自動車のエンジンはほとんどがレシプロエンジンです。
レシプロエンジンとは,内燃機関の一つで,燃料を燃やしてピストンを動かして動力を得るエンジンのことです。内燃機関にはマツダが熟成させたロータリーエンジン,戦車等で使用されるガスタービンエンジン,飛行機に多く使われるジェットエンジンなどがあります。
しかし,残念ながらターボエンジンというものは,ありません。
それは,何故かと言いますと…ターボはエンジンではないからです。

ターボは正確にはターボチャージャーと言い,エンジンの排気ガスを利用してコンプレッサーで圧縮した空気をエンジンに送るシステムのことです。
ですから,ターボチャージャーはエンジンではなく,エンジンの補機類として扱われます。簡単に言えば,エンジンに付属するものと言えます。逆に言えば,付属するものと言うことは,ターボチャージャーが無くてもエンジンはそれだけで活動することが可能です。

ターボチャージャーの利点は,小さい排気量でも,圧縮した空気をシリンダー内に送ることで,あたかも大排気量のエンジンのように見せかけることが出来ます。2000ccのエンジンにターボチャージャーを取り付けることで,3500ccのエンジンと同じような出力を得ることが出来るのです。
しかし,空気を圧縮すると,当然,圧縮した空気は熱を持ちます。気体は熱を持つと密度が小さくなる性質があります。せっかくターボチャージャーで空気を圧縮しても,熱を持ってしまうと出力が著しく低下してしまいます。そこで考え出されたのが,ターボチャージャーとエンジンとの間に冷却装置を持たせるインタークーラーです。インタークーラーは,ターボチャージャーで圧縮された空気を冷やすことで密度を大きくし,そこに燃料を噴射することで出力を大きくすることが可能です。
自動車のカタログをみますと,「インタークーラー付きターボ」という表記がありますが,インタークーラーとはまさしくそれです。
インタークーラーも水冷式と空冷式があり,BC5レガシィやST205セリカは水冷式のインタークーラーを搭載していましたが,今では空冷式が一般的です。(この話題は,またの機会に)

ターボチャージャーの様に空気を圧縮する補機類で似たものに,スーパーチャージャーもありますが,スーパーエンジンとは言いませんよねw(スーパーチャージャーは次回に解説します。)

有名自動車メーカーが「ターボエンジン」と言う言い方は,考え物だと思います。
正確に「Turbo charged Engine(ターボを搭載したエンジン)」と言うべきだと思います。

なんでも略せばいいものではないのです。
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